食管法の廃止以降、米の価格が下落し、米どころ福井県では米作りだけでは生き残れないという声が上がっていた。そのような中、JA職員から米の直接販売をコンセプトに消費者とふれあえる場、生産者と生協や非農家とを結ぶ場が必要であるとのアドバイスを受け、専業農家6名が任意組合「ファームビレッジさんさん」として平成13年8月に見谷ナーセリーの一角を間借りする形で開始。16年6月には、有限会社を設立。
その後、直売所のあり方に関心を寄せる生産者で将来性を話し合い、地元の野菜を使った料理と地元の米をご飯として提供するレストランを併設することになり、17年3月に自前の施設を当地に新設オープンさせた。
設立の経緯
店舗外観
運営内容
出荷者は専業農家が中心だ。福井市内だけでなく、坂井市や勝山市など県内各地の生産者約100名が参加。生産者会議を毎月開催し、店側と生産者との情報交換の場や消費者の声を生産者に伝える機会を定期的に持つ。販売額は、直売所が5,600万円、パン部門が1,200万円、レストランが6,000万で、直売所の販売割合は野菜45%、米20%。年間来客数は約6.6万人。
「私達のモットー」として「フェイスtoフェイス」「共生」「安心」「安全」「誠実」の5項目を定め、生産者と消費者との関係を重要視する。そのため、出資者のインベスターグループと出品参加者のパートナーグループ、それに利用者のコーペレーターグループという3つのグループを設け、運営主旨に賛同する者であれば生産者は無論のこと消費者も運営に参画できる体制を整えている。
直売所の概要
米の販売に力を入れ、生産者ごとに玄米販売スペースを設置し、お客様の要望に応じた分量、精米歩合で販売。新米の時期には購入者に1合米をプレゼントし、「お米ソムリエになりませんか」とPRし、販売拡大を図っている。野菜も各種揃えられているが、中山間地域の生産者が多いことから春先には山菜類が豊富。豆腐やみそ、漬物、畜産農家手製のアイスクリームやプリン、かきもちあられや麦茶などの加工品も充実している。
米粉パンに特色
米粉パンの販売のきっかけは、米を玄米として売るだけではなく粉末にすれば利用が広がると考えたこと。試行錯誤を重ねた結果、商品化が実現し、福井県下では初、全国でも2番目の成功事例となった。当初は焼き釜が小さく生産量に限界があったため品切れが日常的となり、獲得した顧客が離れていく事態もあった。しかし、店舗新設後はニンジンやホウレンソウ、黒豆など野菜入りパンを中心に20品目程度を常時販売できるようになり、来客数も回復した。
レストランの理念
レストランはバイキング形式で、料金は大人1,700円。座席は60席。食材は直売所で販売する野菜や出荷者から直接仕入れた野菜が基本。メニューは専属の料理長とコーディネーターが決める。白米や玄米、四穀米や酢飯などのバラエティーに富んだご飯料理とともに、郷土料理の麩のからし和えやサトイモのころ煮、すこ(赤ズイキ)をはじめとした約40種類の料理が並ぶ。
「農家の食生活と食卓をこの場に」がレストランの理念。野菜は煮ることで多くの量を取ることができる。農家は、野菜や穀類中心の食生活によって肉体労働に耐えうる体ができている。そのような料理こそ、子供に対する食育の基本と考える。メニューに動物性タンパクが足りない、料金が高いという声もあるが、理念に基づいたメニューの選択と調味料を用いない手間暇かけた出汁の取り方にはこだわり続けたい。
交流活動
「植え付けから管理・収穫まで」を基本に、家族連れを対象にしたサツマイモや柿、梨などの栽培体験、収穫した柿の渋抜き方法の実習、乳牛の搾乳体験等の活動を行う。また、毎年小学校教諭や高校生をインターンシップで受け入れ、職場体験の場を提供する。















