明日香村は、古代の遺跡が数多く残る観光地として名高いが、その一方で豊かな農業資源を活用した都市との交流活動も盛んに行われている。棚田オーナーやミカンの一本木オーナーを初めとした各種のオーナー制度、イチゴ狩りとブドウ狩りが中心の観光農業、直売所や宅配便を利用した地元農産物の直接販売等の取り組みは、近畿でも有数のグリーン・ツーリズム実践地域を形成するにいたっている。
当直売所は、平成11年4月に、それらの取り組みを担う財団法人明日香村地域振興公社によって開設された。開設10年が経過した21年4月、農事組合法人ふるさと明日香の発足とともに運営主体が当組織に移管された。村内の販売農家の大半が参加する直売所として、地域の農業拠点として位置付けられている。
地域の農業拠点となっている直売所
店舗外観
1平方メートル当たりの販売額は184万円にのぼる
部門別の販売割合は、野菜37%、果実18%、花15%、加工品9%、特用作物6%、米5%、その他10%となっている。品目別にみると、野菜ではホウレンソウ、トマト、キュウリが上位3位を占める。果実はイチゴとミカン、加工品は菓子類と揚げ豆腐類が、また、特用作物ではタケノコとシイタケがそれぞれ上位にランクされる。特にイチゴは全体販売額の1割近くにも上る。米は中山間部の気候特性を背景として食味が良く、消費者の人気が高い。
売場の陳列棚はすべて2段か3段に設定され、1平方メートル当たりの販売額は、実に184万円にも達する。年間販売額は、開設以来一度も前年を下回ったことがない。昨年12月、近隣に新たな直売所が開設されたが、今のところ影響は最小限にとどまっている。
店による徹底した品質管理で、会員意識も向上
当直売所では、毎日開店前に全商品の品質点検を実施する。レジ担当のパート従業員も含めて全員で見回り、品質が劣ると判断した物は消費者の目に触れる前に陳列台から引き下げられる。下げられた商品は次の日の夕方まで保管され、その間に該当品の出品者は持ち帰る義務を負う。もし引き取られなかった場合には、処分料として定価分を出品者から徴収している。
この方法を取り入れて以来、会員の品質に対する認識が深まり、全体の品質向上につながった。厳しすぎると思われることでも、多数の会員によって成り立つ直売所では時により必要となることを気付かされる。
観光客も意識した、100種にのぼる加工品
商品で特に目を引くのは、オリジナル加工品の多さである。売れ筋のしょうがの佃煮や赤米せんべい、きな粉を使った蒸しパンや飴、ミカンやヨモギの餅に旬の果物を用いた各種のジャム、工夫の凝らされた漬物類や米粉を活用したパンなど、季節限定品も含めて100種類に近い。それらはすべて、農村女性のグループや個人の手づくりによる。地域の固定客だけでなく観光客にも味わってもらいたいという、彼女らの思いが伝わってくる優れた商品の数々である。















